1800年ごろの数学の発展度をランキング化すると、以下のようになります。
評価基準は以下の点を考慮しています。
- 数学の理論的発展(微分積分、確率論、代数学、幾何学など)
- 数学の応用度(工学、物理学、経済学との関連)
- 数学者の影響力(世界的に影響を与えた数学者の輩出)
- 数学教育の整備(大学やアカデミーなどの教育機関)
- 出版・交流の活発さ(数学論文の発表や国際的交流)
1800年ごろの数学の発展ランキング(トップ10)
Sランク(世界最先端の数学国)
- フランス 🇫🇷
- フーリエ(フーリエ級数)、ラプラス(確率論)、モンジュ(微分幾何)などの数学者が活躍。
- エコール・ポリテクニーク設立(数学教育の中心)。
- 微分積分、確率論、代数学など多方面で圧倒的なリード。
- ドイツ 🇩🇪
- カール・フリードリヒ・ガウス(整数論、正規分布など数学全般で歴史的業績)。
- 数学研究が大学を中心に進む(ゲッティンゲン大学など)。
- 解析学、数論の分野での基礎的発展が著しい。
- イギリス 🇬🇧
- ニュートン力学の影響が続き、数学と物理学が融合。
- チャールズ・バベッジ(解析機関=コンピュータの概念)など計算数学が発展。
- しかし、フランス・ドイツほど数学者の層が厚くないため3位。
Aランク(強力な数学の伝統がある国)
- スイス 🇨🇭
- レオンハルト・オイラーの影響が強く、解析学・代数学が発展。
- 18世紀から数学・物理学の研究が盛ん。
- 規模は小さいが、ヨーロッパ数学の発展に貢献。
- ロシア 🇷🇺
- ピョートル大帝の改革で数学教育が整備され始める。
- オイラー(スイス出身)がロシア科学アカデミーで研究。
- 1800年代後半から本格的な発展が始まるため、まだトップ層には届かない。
- イタリア 🇮🇹
- ルネサンス期の数学の伝統を受け継ぐ。
- 幾何学・確率論が発展。
- ただし、フランスやドイツほどの数学的ブレイクスルーは少ない。
Bランク(伝統的数学が強いが近代数学は遅れ気味)
- アメリカ 🇺🇸
- まだ独自の数学の発展は少なく、ヨーロッパの数学を輸入。
- 19世紀後半から本格的に数学が発展。
- 1800年時点では数学先進国とは言えない。
- 中国 🇨🇳
- 伝統的数学(九章算術など)が強いが、西洋数学の導入は遅れる。
- 天文学・暦学での計算技術は高いが、近代数学は停滞。
- 清朝の閉鎖的な政策も影響。
- 日本 🇯🇵
- **和算(日本独自の数学)**が発展。関孝和による行列計算。
- しかし、西洋数学との交流がなく、独自の発展にとどまる。
- 明治維新以降に大きく変化する。
- インド 🇮🇳
- 伝統的数学(ヴェーダ数学、数論)が根付いている。
- しかし、イギリス植民地時代が始まり、独自の数学研究が停滞。
- 19世紀後半から西洋数学が導入される。
その他の国の状況
- スペイン 🇪🇸(B-)
- 17世紀までは強かったが、18世紀以降は停滞。
- オスマン帝国(トルコ) 🇹🇷(B-)
- イスラム数学の伝統はあるが、近代数学の発展は遅い。
- エジプト 🇪🇬(C)
- イスラム数学の影響が強く残るが、新たな発展は少ない。
- ブラジル 🇧🇷、メキシコ 🇲🇽、アルゼンチン 🇦🇷(C-)
- ヨーロッパの影響を受けつつも、数学自体の発展はまだ。
総括
1800年ごろの数学界は フランス・ドイツ・イギリス の三大国がリードし、
ガウス(ドイツ)、フーリエ・ラプラス(フランス)が世界を牽引していました。
一方、アジア(中国・日本・インド)は独自の数学文化を持ちつつも、近代数学の導入が遅れ、
アメリカは数学よりも技術応用に重点を置いていました。
この後、19世紀後半からアメリカ・ロシア・日本が数学大国へと成長し、
20世紀にはドイツ・フランスに並ぶ数学先進国となります。
コメント